犬の体重管理は関節や内臓を守り、寿命を延ばす最重要ケアです。理想体重の目安、カロリー計算方法、肥満が及ぼす病気リスク、日常でのチェックポイントをデータと実例を交えて解説します。
1. 犬の肥満率と健康リスク
日本小動物獣医師会の調査によると、犬の約40%が肥満傾向にあるとされています。
肥満は寿命を平均2年短縮させるとの報告(Kealy et al., 2002, Labrador retriever study)もあり、関節疾患や糖尿病、心疾患のリスクを大幅に上げます。
逆に痩せすぎは免疫力低下や低血糖の危険があり、適正体重を維持することが重要です。
2. 理想体重の目安(BCSスコア)
犬の体格評価はボディコンディションスコア(BCS)が一般的です。
5段階評価で「3」が理想とされ、以下が目安です。
- BCS 1-2(痩せすぎ):肋骨や背骨が浮き出て見える
- BCS 3(理想):肋骨が軽く触れる、腰にくびれ、お腹が引き締まっている
- BCS 4-5(肥満):肋骨が触りにくい、くびれがない
3. 食事管理:カロリー計算の基本
犬の1日の必要カロリーはRER(安静時エネルギー要求量)を基準に計算します。
- RER = 70 ×(体重kg^0.75)
- 成犬(避妊去勢済み):RER × 1.6
- 活発な犬や子犬:RER × 2.0〜3.0
例:ラナたん(2.6kg・避妊済み成犬)の場合
→ RER ≈ 70 × (2.6^0.75) ≈ 178kcal
→ 178 × 1.6 ≈ 285kcal/日 が目安
この数値からフード量を算出し、おやつはその10%以内に抑えます。
おやつや外食のわんこごはんをカロリー計算に含めないと肥満になりやすいです。
4. 運動での体重管理
アメリカ動物病院協会(AAHA)は、犬に1日30分以上の中程度の運動を推奨しています。
肥満予防のためには「持続的な運動」と「遊びによる短時間の高強度運動」を組み合わせるのが理想。
- 散歩:成犬は1日2回、各30分
- 室内:ノーズワーク・引っ張りっこ・階段昇降
5. 日常チェックのポイント
- 体重測定:月1回(子犬やシニアは週1回)
- 見た目・触診:肋骨や腰回りのチェック
- 食欲や排便の変化がないか観察
6. ラナルアの実例
- ラナたん:2.6kgを維持中。少し食べすぎるとすぐ見た目に出るため、毎回キッチンスケールでフードを量っています。
- ルアくん:成長期なので体重増加が早く、毎週体重を記録。増えすぎないか注意しつつ、栄養バランスを重視しています。
- ふたりともお出かけが大好きなので、外食のわんこごはんを食べる日はトータルのカロリーに気を付けています。
まとめ
犬の体重管理は「適正カロリー計算」「運動習慣」「定期チェック」が基本。
科学的データと日常の観察を組み合わせて、健康寿命を延ばしてあげましょう。