「避難所に入れない」…そのときの選択肢、“車中泊避難”
災害時、ペットと一緒に避難する方法のひとつが「車中泊避難」。
しかし実際には、
- 「犬が吠えてしまうから避難所に入りづらい」
- 「他の避難者とのトラブルが心配」
- 「家族で避難できる場所が限られている」
などの理由で、やむを得ず車中泊を選ぶ飼い主さんも少なくありません。
とはいえ、車の中で長時間過ごすのは、犬にとっても大きなストレスと危険が伴うもの。
そこで今回は、犬と一緒に安全に車中泊避難をするための心得と、必要な持ち物をまとめてお伝えします。
【前提】なぜ車中泊を選ぶ飼い主が増えている?
近年の災害では、「ペット同伴可の避難所が少ない」「吠え声やにおいなどの配慮が必要」など、
さまざまな課題から“自家用車での避難”を選ぶケースが増加しています。
特に、以下のような場合は車中泊を検討される方も:
- ペットの数が多く、避難所で管理しきれない
- 周囲に迷惑をかけたくない
- 愛犬の持病や性格上、集団生活が難しい
“家族全員が安心して過ごせる避難環境”として、車中泊が注目されているのです。
【注意点①】夏は「熱中症」、冬は「低体温」に最大の警戒を!
車内は空調管理が非常に難しい環境です。
特に停車中はエアコンも使いにくく、以下のリスクがあります:
夏場:
- 車内温度は外気より10℃以上上昇することも
- 熱中症や脱水の危険大!
冬場:
- 地面からの冷気で底冷えする
- 長時間の低体温が心臓に負担をかける
【対策】
- サンシェードや断熱シートで外気を遮断
- ポータブル扇風機やカイロ、ブランケットを用意
- こまめな換気・水分補給を忘れずに!
【注意点②】愛犬の「ストレスサイン」に気づいてあげる
慣れない車中での生活は、犬にとっても大きなストレスです。
こんな様子は要注意:
- ハァハァと異常なパンティング
- キュンキュン鳴く・落ち着きなく動き回る
- 食欲がない・排泄を我慢している
【できる対策】
- 普段から使っている毛布・ベッド・おもちゃを持ち込む
- クレートやキャリーに慣れておく(安心できる場所を作る)
- ストレス解消に、短時間でもお散歩や外の空気を
【注意点③】排泄問題は“におい”と“衛生”がカギ!
車内では「排泄問題」が特に大きなストレスになります。
事前に準備しておくと安心:
- ペットシーツ(多めに!)
- 防臭タイプのうんち袋
- おしっこ処理用の除菌スプレー・ウェットティッシュ
- トイレトレー or ポータブルトイレ
【ポイント】
・ドアを少し開けて車外で排泄させることも検討(安全確保を忘れずに)
・犬がシートで排泄できる練習を普段から行っておくと安心です。
【保存版】犬と一緒に車中泊するための持ち物リスト
以下は、車中泊避難を想定した“最低限の持ち物”リストです:
犬用アイテム
- フード(最低3〜7日分)
- 水(500ml×複数本)&食器
- トイレシート・マナー袋
- お気に入りの毛布やおもちゃ
- キャリー・クレート
- 予備のリード&首輪(迷子札付き)
- ワクチン証明書・写真・健康手帳
- 常備薬・サプリメント
車中泊サポート
- サンシェード・断熱シート
- ブランケット・カイロ・扇風機
- ポータブルバッテリー(スマホや扇風機用)
- ゴミ袋・消臭アイテム
- 消灯時のためのLEDランタンなど
【事前練習のすすめ】いきなりの避難では犬もパニックに
突然の災害では、犬も不安でいっぱい。
だからこそ、事前の“プチ練習”がとても役立ちます。
✅ 自宅駐車場で車中で過ごす練習をしてみる
✅ 寝るときのケージの場所や温度調整の確認
✅ 車の中で排泄できるかのチェック
小さな慣れが、命を守る行動力につながります。
まとめ:犬と一緒に車中泊避難をするなら“準備と予行演習”が命を守る
- 避難所に入れない時の選択肢として、車中泊避難はとても現実的
- しかし、温度管理・衛生・犬のストレス対応が鍵!
- 持ち物リストを見直し、家族みんなでシミュレーションしておこう
「愛犬も大切な家族だから、どんな状況でも一緒に乗り越えたい」
その想いが、命を守る力になります。