最近、SNSやペット栄養関連の情報の中で「犬にじゃがいもはダメ」「さつまいもは糖質が多すぎるからNG」などの声を目にすることが増えました。
たしかに、グレインフリーや糖質制限といった視点で考えると、炭水化物=悪、というような風潮もあります。でも、本当にそうなのでしょうか?
今日は、犬の体に合う“やさしい素材”を選ぶということについて、実際に私の愛犬ラナちゃんと暮らす中で感じたこと、考えてきたことをもとに、お話ししたいと思います。
小麦や米粉でトラブルが出たラナちゃん
我が家のラナちゃん(チワワ・一歳)は、普段から生食中心のごはんで育ててきました。
体に合う素材・合わない素材が明確に出る子で、小麦や乳製品を使ったものを口にすると、消化トラブルやおなかのゆるみといったサインがすぐに出てしまいます。
試しに“グルテンフリー”とされる米粉を使ったおやつをあげたこともありますが、やはりラナちゃんにはあまり合いませんでした。
グレインフリー=安心?とは限らない
「じゃあグレインフリーが一番安心なの?」と聞かれると、実はそうでもないと感じています。
グレインフリーを意識しすぎて、タンパク質に偏った食事や、極端な糖質制限をしてしまうと、腸内環境のバランスが崩れたり、代謝に影響が出る場合もあります。
栄養学的には「じゃがいも=高GI食品」と見なされがちですが、実際には消化吸収がゆっくりな“レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)”も含まれているため、必ずしも血糖値を急上昇させるとは限りません。
また、じゃがいもやさつまいもには、ビタミンC・カリウム・食物繊維などの有益な栄養素も豊富に含まれています。
実体験から感じた、「じゃがいも・さつまいも」が一番やさしかった話
いろいろ試した中で、ラナちゃんの体が一番落ち着いたのが、じゃがいもとさつまいもでした。
たとえば、特別な日のお祝いケーキやおやつには、
小麦も、米粉も、乳製品も、動物性タンパクも入っていない、
じゃがいもとさつまいもだけで作ったシンプルなケーキにしています。
驚くほど体の調子がよく、お腹もゆるまないし、皮膚にも変化が出ない。
少量でも満足感があり、何よりラナ自身が心から喜んでくれる姿がうれしいのです。
大切なのは「どの素材か」より「どの子に合うか」
もちろん、じゃがいもやさつまいもがすべての犬に合うわけではありません。
でも、「糖質だからダメ」「イモ類だからNG」と決めつけてしまうのは、もったいないと私は感じています。
むしろ大切なのは、その子自身の体調や体質に合った素材を、目的に応じて取り入れてあげること。
アレルギー体質の子、シニア犬、消化器が弱い子、それぞれに「合うもの」は違います。
だからこそ、「この素材はいい・悪い」と一律に決めるのではなく、“うちの子にとって”やさしい選択をしていけたらいいなと思っています。
「ケーキ=甘い・重い」ではなく、体にやさしいごほうびとして
私が作っている「ふりふりしっぽの犬ケーキ」は、
じゃがいもとさつまいものペーストのみで作られた、無添加のシンプルなケーキです。
色味をつけるときは、野菜パウダー(紅こうじやかぼちゃなど)を混ぜたじゃがいもペーストで絞りをします。
乳製品・小麦・米粉・肉・魚などは一切不使用。「どの子でも食べやすい・安心できる」ことを第一に考えています。
特別な日だからこそ、体にやさしい“ごほうび”でお祝いしたい。
そして、その子が「おいしい!」と心からしっぽをふってくれる瞬間が、何よりの幸せです。
まとめ:「わが子にとってやさしい素材を、わたしたちが選ぼう」
じゃがいもやさつまいもが“悪者扱い”されがちな今だからこそ、
本当に大切なことを見失わないようにしたいと思っています。
素材そのものに優劣をつけるのではなく、
その子の体と、わたしたち飼い主の観察力と愛情で、やさしい選択をしていくこと。
ふりふりしっぽのケーキを通して、
そんな想いが少しでも伝わればうれしいです。