「夏は脱水に注意」——そう思っている飼い主さんは多いですが、
実は冬こそ、気づかないうちに水分不足になる子が多い季節です。
寒くなると飲水量が減り、代謝も落ちやすくなるため、気づいた時には尿が濃くなっていたり、腎臓や膀胱に負担がかかっていることもあります。
特にシニア犬や、もともと腎臓が弱い子は要注意です。
なぜ冬に脱水が起きるの?
気温が下がると、犬も「喉の渇き」を感じにくくなります。
さらに室内暖房の影響で空気が乾燥し、知らないうちに体から水分が奪われていきます。
体内の水分が減ると血液がドロドロになり、老廃物の排出がうまくいかなくなります。
たとえば…
・尿の色が濃くなる
・おしっこの回数が減る
・皮膚を軽くつまんでもすぐ戻らない
・口の中が乾いている
こうしたサインが見られたら、すでに軽い脱水状態の可能性があります。
脱水が引き起こすトラブル
脱水が続くと、腎臓や肝臓などの臓器に負担がかかるだけでなく、
便が硬くなったり、膀胱炎・尿路結石などのリスクも上がります。
また、血流が悪くなることで体の冷えや代謝低下にもつながり、
結果的に「冷え性→飲まない→さらに巡りが悪くなる」という悪循環に陥ることも。
だからこそ、冬は“水を飲ませる努力”がとても大切なんです。
無理なく飲ませるコツ
犬に「もっと水を飲んで」と言っても、伝わるわけではありませんよね。
ここでは、自然に水分をとらせる工夫を紹介します。
① ぬるま湯 or 常温の水にする
冷たい水は飲みたがらない子が多いです。
体温に近いぬるま湯(30〜35℃)なら飲みやすく、胃腸にもやさしい。
② ボーンブロス水で誘う
骨スープ(ボーンブロス)を水で薄めて出すと、香りに誘われてよく飲みます。
塩分無添加のものでOK。関節や腸のケアにも一石二鳥。
③ ウェット寄りのごはんにする
生食や手作りごはん派なら、水分を含んだ食材で自然に摂取量を増やせます。
例えば、
・肉+野菜+ボーンブロスで軽く和える
・おじや風にする
・ヤギミルクや発酵野菜汁で香りづけ
こうするだけで、1日あたり50〜100ml多く水分を摂れることもあります。
④ フルーツや野菜の水分を利用
腎臓ケア中の子は種類を選ぶ必要がありますが、
りんご・梨・スイカ(季節外なら少量)・きゅうりなどの水分を上手に使うのも◎。
※糖分の摂りすぎには注意。
⑤ 容器を変えてみる
ステンレスのボウルより、陶器やガラスの容器を好む子もいます。
位置や高さを少し変えるだけで飲むようになるケースもあるので、試してみる価値あり。
水分補給の目安
犬の1日あたりの必要水分量は、体重1kgあたり約50〜60mlが目安です。
(例)2.5kgのチワワなら約125〜150mlほど。
食事に含まれる水分もあるので、
「直接飲む水はそのうち半分くらい」と考えてOK。
ただし、腎臓病・心臓病などを抱えている場合は、獣医師の指示に従ってください。
水分を“増やしすぎる”のも、体調によってはNGなケースがあります。
「飲む+巡らせる」で冷えもケア
水分補給は単に“飲むこと”だけでなく、体内を巡らせることが大事。
お散歩や軽い遊びで筋肉を動かすと、血流が良くなり、水分が全身に行き渡ります。
特に室内で過ごす時間が長い冬は、
「1日2〜3回の軽いストレッチタイム」を取り入れるのもおすすめ。
ラナたんとルアくんみたいにワンプロや引っ張りっこをするのも、最高の巡り対策です。
まとめ
・冬は喉の渇きを感じにくく、脱水が起きやすい
・尿の色や皮膚の張りをチェックする
・水を飲まない子はぬるま湯・ブロス・発酵汁で工夫する
・“飲ませる”だけでなく“巡らせる”ことも意識する
見た目ではわかりにくい冬の脱水。
でも、毎日のちょっとした工夫で、腎臓も免疫も守ってあげられます。
温かいスープとぬくもりのある暮らしで、この冬もわんちゃんと元気に過ごしましょう!